何度か舞台の仕事でご一緒したことのある那須の渋いギタリスト・津久井さんのご子息がハヤカワSFコンテスト大賞を受賞されたと聞き拝読。
コルヌトピア
Amazonで津久井 五月のコルヌトピア。アマゾンならポイント還元本が多数。津久井 五月作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またコルヌトピアもアマゾン配送商品なら通常配送無料。amzn.to
植物を計算機として使用する技術が発達した未来が舞台になっていて、全編を通して描かれる、主人公の調査官が計算資源を利用するシーンが印象的。ウムヴェルトと呼ばれる装置をインターフェースとして、接続された植物の視点で世界が描写される。ある時は東京を囲む森、ある時はビルの壁面の緑地と様々な規模の視点で世界が描写されるのが楽しく、植物の電脳にダイブするような感覚で読むことができた。60〜90分くらいのアニメ映画になったら面白いのではないかと思う。
物語の本筋は東京の計算資源たる環緑地帯での火災事件を巡っての調査。若き天才科学者と組んで事件調査を進めていくといったところはある種定番な筋立てながら、「植物計算機」という道具立てがしっかりしていて読み応えがある。筆者が描くクラウドコンピューティングならぬフォレストコンピューティングの世界は生物を土台とする技術的な難しさやそれを囲む社会的意義も描かれていてとても興味深い。世界観がしっかり構築されているので、同じ世界を舞台に続編を読んでみたいと思った。
分量としても長すぎず、2日程度で読み切ることができて程よい感じ。オススメです。